神と罪のカルマ オープニングfifth【06】
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「『君』は、『神』が『罪』を犯すと思うか?」
幼い頃の『彼』は尋ねられた。
「まぁ。何処かの宗教や神話を詳しく調べれば、答えはあるかもしれなんがな」
「……」
「あぁ。『君』は私と話してはいけないんじゃったな」
「……」
「なら、これは独り言」
「……」
「大抵の人は、神を万能の者と考えておる」
「……」
「神は全ての願いを叶え、どんな闇にも染まらない……」
「……」
「『神が罪を犯すわけがない』」
「……」
「『罰は与えようとも間違えを起こさない』」
「……」
「『神は絶対的存在』」
「……」
「神は汚れが無く、純白で美しく、気高き存在であると……」
「……」
「〝全てが全てではないが〟……」
「……」
「だが……」
「……」
「本当にそうなのだろうか?」
「……」
「全てのことに、『罪』にならないものはあるのか?」
「……」
「そんな疑問を繰り返し、繰り返し考え……」
「……」
「『私たち』は誕生した」
「……」
「いま、この日本には」
「……」
「『神』が数多にいる……」
「……」
「政治や企業などの上にな……」
「……」
「されど、『神』と言っても本当の『神』ではない。」
「……」
「不老不死でも願いを叶える力もない」
「……」
「天才に近い才能を持って生まれてくるためか、そう呼ばれるようになった」
「……」
「普通の『人間』じゃ……」
「……」
「それを、『人間』は『神』と称えた……」
「……」
「『私たち』はそんな『神』の……」
「……」
「『闇』を背負う者」
「……」
「『神』の影となり、汚れを、『負』を背負う者なり……」
「……」
「『神の罪を我は背負い続ける者なり』」
「……」
「『罪』と『我』」
「……」
「『罪我(ざいが)』―――」
「……」
「『財峨(ざいが)』―――」
「……」
「なぁ……」
「……」
「『君』はどう思う?」
「……」
「『少年』……」
「……」
「いや……」
「『仁樹』よ―――……」
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